ゆうじろうインタビュー    「Reluctant Savior」

 

 

           

 

        

 

 

 

ゆうじろう: もう一息、ぱっと出陣ゆうじろう。

 

 

Tone: おはよう。相変わらず朝早いね幽霊のくせに。

 

 

ゆうじろう: 幽霊だって早起きは三文の得だからね。じゃ、始めよう。

今日は、2005年夏に、君が仕上げたイマリ・トーンズの2枚のアルバムのうちのひとつ、

「無責任なメシア」についてのインタビューだ。

 

 

Tone: いいよ、やろうじゃないか。これは説明責任なんだ。皆に聞いてもらう以上はね。

 

 

ゆうじろう: この作品は、先日話を聞いた「異能レース」と、2枚一緒に、同時に作った作品だったね。

 

 

Tone: うん。そうね。年内に4枚作る計画で、前半と後半2枚ずつに分けて制作することにした。その前半の2枚が、「異能レース」と「無責任なメシア」だったわけさ。

 

 

ゆうじろう: まぁそういうわけで、作品を作った背景や経緯は、この前「異能レース」で話してもらったのと同じだろうから、省略するとして。

とはいえ「異能レース」とはまた違ったコンセプトで作られた作品だろうから、そのへんを教えてくれないかな。

 

 

Tone: そうだね。この前、「異能レース」は、「Kodomo Metal」を越えるべく、エキセントリックな異能ハードロックを追求する作品を意図したと言ったけど、この「無責任なメシア」は、その逆に、リラックスした、平易で、ポップで、親しみ易い、そんな作品を意図したんだ。Imari Classicsの曲もたくさん入ってる。これは、どういう作品かというと、ホームページのキャッチコピーにも書いたけど、ナカミネタカヒロの、素顔の部分が、いちばんよく見える作品なんじゃないかと。

 

 

ゆうじろう: 無責任な救世主との下町デート、ってキャッチコピーだったもんね。

 

 

Tone: そうそう。だからね、この作品については、それだけ言っておけばいいんじゃないかな。収められているImari Classicsにしても、少年時代のとても懐かしい感覚をたたえたものだし、すごく素朴でノスタルジックな作風なんじゃないかと思う。和風ってわけじゃないんだけど、日本的な感覚を込めることもできたと思う。つまり、僕が小さい頃から見て聞いて生きてきた日本の風景ってことね。

 

 

ゆうじろう: なるほどね。それで、その懐かしい感覚や、少年時代の記憶ってことで、今回、そこのところを突っ込んで聞いてみたいんだ。君が表現しようとしているノスタルジーの正体。イマリ・トーンズが始まる前、そこに、いったい何があったのか。その原点のところをね。そこのところが、今回のこの「無責任なメシア」を理解するためのカギになってるように思うからね。

時は、そう・・・・

 

 

Tone: 1994年。そこにタイムトリップしてみよう。それが今回のインタビューの目的だからね。1994年。それはたぶん僕の人生の、そんでイマリ・トーンズにとっての、ひとつの起点になる年だったんだ。

では読者の当惑は圧倒的に無視して(笑)、いざ1994年にタイムトリップ!!

 

 

ゆうじろう: というわけでやってきました1994年。ロックの世界でいうと、この年にはカート・コバーンが自殺していますね。この年、君は?

 

 

Tone: この年の4月で、僕は高校2年生になります。17歳の年ですね。

 

 

ゆうじろう: バンド活動はやってたの?

 

 

Tone: もちろん。この年の前半だった。この年の前半に、僕の、高校生活の中でも、いちばん重要だったバンド活動があったんだ。

 

 

ゆうじろう: 君は高校生活を通じて、いくつものバンド活動をしていたけど、その中でもやはり一番経験として重要だったのは・・・

 

 

Tone: 名前を出しても構わないと思うけど、Silent Heartsとういバンドだった。活動した期間は短かったかもしれないけど、僕にとってはこれが一番大事な音楽経験だった。1993年から、1994年にかけて、断続的に活動して、ヤマハのコンテストで地区大会を2年連続で制してるんだけど、僕にとって特に大切だったのは、この1994年のSilent Heartsだった。

 

 

ゆうじろう: オリジナル曲を演奏していたんだよね?

 

 

Tone: うん。この'94年のSilent Heartsっていうのは、僕にとって、一番最初の、「オリジナル」っていうものの実験室だった。自分自身の音楽を、初めて追求した。いくつものオリジナル曲を演奏していて、すべて僕が書いたものだったよ。そして、今思い起こしても、最良の実験室だった。

 

 

ゆうじろう: かなり実力のあるメンバーが揃っていたんだよね。

 

 

Tone: うん。ローカルではあったけど、ヤマハのスクールの選り抜きが集まったバンドだったからね。

話はそれるんだけど、今にいたるまで、青春時代の唯一の僕の後悔というのが、この時、このバンドを、あるいはこのバンドでなくても、オリジナルの試みを、なぜ途中でやめてしまったかということなんだ。

高校時代に、僕はたくさん曲を書いていた。だから、やろうと思えば、もっといろんな活動を進めることができたはずだからね。

でも、思うに、そこにも多分理由があったはずなんだ。

そして、それがきっと、イマリ・トーンズの現在にもつながっているッ!

 

 

ゆうじろう: それを突き止めるのも今回のテーマだと。

 

 

Tone: そういうことだね。あのね、理由はいろいろあるんだよ。何故僕が、いくつもバンド活動をしながらも、高校時代に、本気で勝負に出るような活動に出なかったか、というのはね。ひとつはたとえば、しょせん地方は地方でしょ、本格的な勝負に出るバンド活動は東京行ってからやればいいんでしょ、と思っていたこと。これは否定できない(笑)。地方の人には失礼だけどね。でも僕は東京の大学に進学するつもりだったし、実際、現実的な理由のひとつはそれだよね。僕は、東京行ってから、大きくはばたくつもりだった(笑)ところが、ハニーちゃんに出会ってしまって、予定が大幅に狂ってね(笑)結局、大学でバンド活動なんてやれる状況じゃなかった。まぁそういうわけで、僕の目論見は見事に外れてしまったわけだ(笑)

 

 

ゆうじろう: こんなことなら高校時代にもっと本格的に始めていればよかったと(笑)

 

 

Tone: そう思わないでもないよね(笑)

でも、理由はそれだけじゃないはずなんだ。高校1年のとき、1993年にも同じことが起こったし、1994年のこのときもそうだ。非常にいい状況が揃っていながら、バンドが本格的に進み出そうとしたとき、何故、僕はそこで1歩、身を引くことを選んだのか。

 

 

ゆうじろう: そこで身を引かなければ、怒涛のローカル・ロックンロールライフに突入していたわけだね。

 

 

Tone: だと思うね。それで成功できたかどうかは別としてね。

そうそうもうひとつ理由があった。僕には法律家になるっていう夢があったから、それも大きな理由だったと思う。別にミュージシャンになりたいわけじゃないんだ、ってこと。そして、自分に、勉強して法律家になるっていう目標・使命がある以上は、それをないがしろにはしたくない、っていう気持ちがね。

当時はまだ少年時代。法律家になるんだという目標と、ロックンロールにこの身を捧げたいという欲求と、この二つの要素が、自分の中でどう折り合いをつけるものなのか、まだわからなかった。そして、まだ折り合いをつける必要もなかった。人生はそのうち、嫌がおうにも展開していく。

 

 

ゆうじろう: 現実にはロックンロールを選んでしまったわけだね(笑)

 

 

Tone: 別に好き好んで選んだわけじゃないよ(笑) ただハニーちゃんと出会って結果的にそうなってしまったんだ。

まぁともあれ、東京とか法律家とか、そうした事情はあった。でもそれだけで、僕が音楽活動から身を引いたとは思えない。でもそれ以外にも、もっと大切な何かが、きっとあったはずなんだ。それをね、じゃあそれを、1994年の、16歳か17歳の僕に聞いてみよう。

 

 

ゆうじろう: 直接聞いてみちゃうんだ(笑)どうやって?(笑)

 

 

Tone: 霊媒師みたいにやってみよう(笑)催眠術とかかけてさ。やってみてよ、催眠。

 

 

ゆうじろう: ええっ!? 催眠術ってどうやればいいのか知らないよ。まぁいいや、とりあえず、眠れっ!

 

 

Tone: zzzz........

 

 

ゆうじろう: 意外と簡単だったね。

 

 

Tone: 1994年の4月。僕は名古屋にいた。久屋大通の屋外ステージ。

僕らはそこで、自分たちに持てる渾身の演奏をした。

男声ヴォーカルの彼はセクシーな二枚目、彼はミュージシャンを目指し、後に東京での活動で女の子たちのファンとレコード会社からのオファーをたくさん集めることになる。ヴォーカリストとしてもA級。女性ヴォーカルの彼女は、これもすごい美人、しかもとんでもないパワーのハードなヴォーカルを持っている超A級のロックヴォーカリストだ。こんな超A級のヴォーカリストが二人も。贅沢すぎるツインヴォーカルだ。

ベースは長身で細身の彼。ルックスはもちろん、安定したプレイは折り紙付きだ。ドラムの彼女はずば抜けた腕を持っているわけではないが、安定感があり、バンドにとっては最良のビートを提供してくれる。キーボードの彼も素晴らしい才能を持っている。

演奏力はハンパじゃなかった。高校生のバンドではあったけど、皆、選りすぐりの連中だ。そこらの大人のバンドにも決して負けなかった。今、普通に都内のライヴハウスに出たとしても、他を圧倒できるはずだ。皆、スターだった。皆、かけがえのない才能と輝きを持っていた。当時はそれを、特別なことだとは気がついていなかったけど。

 

 

ゆうじろう: お、順調にしゃべってるね(笑)

 

 

Tone: この前、ピアノを録りにね、この「異能レース」や「無責任なメシア」さらにはこれから作る2枚の作品のための、ピアノを録りに、実家へ戻ったんだけど、そのときにね、ついでに、高校時代の昔のテープを掘り起こしてみたのさ。PCに取りこんで保存しておこうと思ってね。もう、圧倒されたね、その輝きに。特に、この1994年のSilent Heartsの演奏はやっぱり尋常じゃなかった。

 

 

ゆうじろう: 催眠・・・・普通に起きてるじゃん(笑)

 

 

Tone: うわ、人間、大人になって演奏うまくなるわけじゃないな、大人になると下手になるんだなと思った。それくらい、素晴らしい演奏をしていたね。本当に贅沢だったと思う。10代の頃に、あんなレベルの高いメンバーで、自分の音楽世界を追求できたことが。あんなに輝いている連中と一緒に10代の輝きを共有できたことが。いちばん輝いていた自分のギターにもびっくりしたんだけどね(笑)

10代の頃の無限の可能性の輝きってのもあるんだけど、やっぱり、連中は違ったよ。何故って、トップを目指している連中だったからね。みんな、音楽の世界でトップを目指すために、その後旅立っていった。僕は・・・・そう僕は。いや違う、僕の目指すものは・・・僕にとっての旅路は・・・・。

 

 

ゆうじろう: 催眠術が今効果を最大限に発揮してます。

 

 

Tone: 僕は思ったんだ。この時、僕が放った音は、名古屋の空に、音楽の神さんに放った演奏は、可能性と希望。これから始まる、人生という長く険しい道を前に進んでいく、勇気のことだったって。ここがスタート地点にすぎないのはわかっていた。これはスタートであってゴールじゃないことはわかっていた。

そして僕は、このとき既にわかっていたんだ。

僕の音楽に足りないもの、僕の音楽に必要なもの、僕の目指すロックンロール、僕の目指すロックンロールが、どういうものなのか。

 

 

ゆうじろう: まもなく17歳になろうとする君は、それを見たと。

 

 

Tone: そう、名古屋の空の下でね。僕には独自のロックンロール哲学があり、僕は理想のロックンロールを求めていた。

僕らは、それらのバンドたちの演奏を見て、素直に共感していたんだ。

そして、決して上手くはなくても、いろんなバンドや、大人たちのバンドを見て、すでに悟っていた。

僕が表現したいのは、人生であり生活なんだ、って。ありふれたどこにでもある、でも世界にひとつしかない、かけがえのない、人が生きていくことなんだ、って。

僕が、高校時代の本気のオリジナルバンドを、ここまででやめておいたのも、それが理由なんだ。

当時の僕は、夢を希望を勇気を、可能性を、鳴らした。

でも、それはスタートにしか過ぎないんだ。

表現したいのが人生であるならば、僕は、その人生ってやつを生きなくてはいけないんだ。

下手でもかまわない、自分だけの、世界にひとつしかない、「生きること」を表現すること。

今はまだそれはできない。なぜなら自分の人生は、これから作っていくものだからだ。

だから、僕はその人生っていうのを作っていくことにしたんだ。

いつの日か、自分だけの「生きること」を鳴らすことができるように・・・・。

 

 

ゆうじろう: そして少年Toneは旅だったわけだ。新たな世界に。

 

 

Tone: そんなところかな。どうすればいいかは、きっとわかっていた。僕は、恋というものに向かってみたんだ。そこから始めることにした。それは目の前の異性に惚れることじゃない。自分の中にある、本当に大事なかけがえのない何かを確かめること。愛というのは価値観の選択のことであり、恋というのは運命を選び取ることなのだからね。

どういうことか。結局僕は、あの人にずっと惚れていたのだね。

そのことにやっと気付いた。

だから、このことにきちんと向き合い、無器用でいいから、きちんと答を出すこと、

自分の人生を作るナカミネ少年の第1歩は、まずはそこから、始まったんだ。

あの人、っていうのが、誰のことだか、わかるよね?(笑)

 

 

ゆうじろう: こんなところでいいんじゃないかな。後は、君の個人的なことだからね。

そして何よりも、その翌年、君はイマリという名の女の子と出会い、自分の人生を歩み出すんだ。それだけわかれば、いいんじゃないかな。

 

 

Tone: そうだね。じゃ、催眠術もとけて、昔話はここまでなんだけど、

わかるかな、今の話が全部、現在のイマリ・トーンズに、そしてこの「無責任なメシア」につながっているんだよ。

その後、高校時代に作曲したたくさんの曲たち、Imari Classicsも、

10年の時を経て、やっときちんとやっつけることができた。

このアルバムには、そういったImari Classicsの曲がたくさん入ってる。

ここにあるのは、紛れも無く生活することそのものの音であり、

僕が実際に体験してきた、世界にひとつしかない、「生きること」が息づいている。

ハニーちゃんに出会ってから、一応ね、10年の間、自分の信念をもって、たゆまず芸術の神さんに、この身を捧げてきたわけだからね。

完璧なものではないかもしれない。ピカピカの製品じゃない。

特に、今回は制作スケジュールやドラムなどの状況もあり、ピカピカの商業作品みたいにはいってないかもしれない。

でも、それでいいんじゃないかって、僕は思ってるんだ。

ちょうど、このジャケットの風景みたいにね。

 

 

ゆうじろう: このジャケットも独特だよね。商店街みたいな写真だけど。解説してくれるかな。

 

 

Tone: これはね、とある街で。東京の某区にあるとある街にて。どこかは内緒にしておくけどね。調べればすぐわかるとは思うけど。

僕のすごく好きな街があるんだ。いい具合に庶民的な生活の匂いがする町でね。昔ながらの商店街みたいのが残ってたりするし、荒川の近くにはすごく広くてきれいな風景があったりしてね、その街の風景を素材にした。そんな、庶民的でありふれた、でもどこか懐かしい、レトロな日本を思い起こさせるような、そんな生活の風景を描きたかったんだ。

 

 

ゆうじろう: ジャケットにはまたハニーちゃんが写ってるね。

 

 

Tone: うん。2001年の「Entering The New World」以来の、2度目の登場だね。

実は、これから作る後半2枚のジャケットも、もう作ってあって、そのうちのひとつはまたハニーちゃんを使うんだけどね。ちょっとだけ色っぽい感じで(笑)

 

 

ゆうじろう: そうなんだ。期待してるよ(笑)あと、今回もタイトルに「無責任なメシア」"Reluctant Savior"と英語のタイトルがついてるけど、これについても説明してもらえるかな。

 

 

Tone: "Reluctant Savior"ってのは、やる気のない救い主、無責任なメシアってことで、英語も日本語もほぼ同じ意味です。んで、このタイトルはモロにリチャード・バックの「イリュージョン」だね。ほぼそこからのパクリだよ(笑) 救世主さんは、たとえ世界を救う力を持っていたとしても、そんなことは大して関心なくて、気ままに楽しく生きることの方が彼にとっては大事なんだ、って、そんな感じの意味さ。

 

 

ゆうじろう: なるほどね。じゃ、もろもろの説明も終わったことだし、今回もいつものとおり、楽曲解説に入ろうか。

 

 

Tone: あいよっ。

 

 

ゆうじろう: じゃ、まずは1曲目、「朝」。

 

 

Tone: Imari Classicsだね。高校3年の時に作った曲だと思う。

「異能レース」に入っていた「Chinese Mermaid」で、東京に暮らす中国人の女の子のことを描いた曲だと言ったけど、この「朝」も東京の街のことを描いた曲なんだ。

結構牧歌的なサウンドだから、意外に思うかもしれないけどね(笑)

 

 

ゆうじろう: みんなが思うような東京って感じじゃないだろうね。

 

 

Tone: そうだね。この曲は、確か受験の下見のときだったのかな、1995年の春。

そのときに、早朝の、誰もいない新宿を見たのね。その情景がなんだか印象的でね。

それがインスピレーションになってるんだと思う。と少なくとも公式には言っている。

たぶんね、都会で最新の東京じゃなくて、昔からある、庶民的で素朴な東京、そっちの部分の影響を受けてると思うんだ。街の持つ磁場ってあるじゃない? 都会な方の東京じゃなくて、昔ながらの、そっちの東京の磁場を、僕は感じたんだよ、きっと。やっぱりこの日本の首都、東の京は、不思議なパワーを持った磁場を持っていると思う。

 

 

ゆうじろう: サウンド的には、何か言っておくことがあるかな?

 

 

Tone: そうね、機材については、「異能レース」と同じなんだけど、ギターサウンドについては、やはり新たに導入したブースターCranetortois BS-1が威力を発揮してる。ブースターといっても、リードプレイに使用するんじゃなくて、リズムギターのディストーションサウンドの幅を広げるために使ってる。もちろんリードプレイでも使ってるけどね。

使用したギターはライヴで使ってた2本のAxis EX。ストラトのコピーモデルとかも入手したんだけど、結局やっぱAxisしか使ってないね。

ベースについては、「異能レース」同様、Cranetortois BP-1のベースプリアンプが有機的なサウンドを創り出すのに威力を発揮してる。今回の制作の主役はある意味このベースサウンドだったからね。

ドラムに関しては、お気に入りのLudwigのクラシックバーチのスネアを使い、僕らしいあたたかなスネアサウンドをこころがけた。ヘッドはLudwigのHeavyとREMOのfiberskyn3を使い分けたね。リラックスしたあたたかい鳴りが欲しいときはLudwig、もっとカチっとした音が欲しいときはfiberskyn、てふうにね。

もっとも、プロダクションがプロダクションだから、そんなハイファイな音にはなってないけどね(笑)

「異能レース」にはfiberskyn3の音が結構入ってるけど、「無責任なメシア」のスネアはほとんどラディックかな。

 

 

ゆうじろう: OK。機材紹介終わりと(笑) 次、2曲目、「君はマンモス」。

 

 

Tone: うわ、出たね(笑) この曲は僕にとっては一種の禁じ手なんだ。高校のときに、演奏したことがあってね。演奏したというか、後輩たちによって演奏されたことがあって。高校1年の冬、1994年の初頭に作られた曲だから、Imari Classicsの中でも初期のものなんだけど、どうしてこんな曲が出来てしまったのかは未だに謎なんだけど(笑)かなりキャッチーだよね(笑)

 

 

ゆうじろう: キャッチーとしか言いようがないね(笑)

 

 

Tone: ポップなんだけど、一種のんびりとした、牧歌的なポップさだよね(笑)

この曲はね、学園青春恋愛モノなんだ(笑)セーラー服着てラブコメディって感じのね。まぁ、どう聞いても田舎の学園にしか聞こえないけどね(笑)しかも、君はかわいいエンジェル、ていうんならわかるんだけど、君はマンモスだからね(笑)なぜマンモスになってしまったのか、さっぱりわからないんだけど、インパクトはあると思う。まぁ牧歌的な学園青春ものというか、これも古き良きなつかしい香りがするよね、1970年代の情景なんじゃないかなーと思う。今どきもうほとんど失われているであろう、牧歌的で純情な青春ソングを楽しんでくれればいいんじゃないかな。まぁ一種のジョークみたいなものだしね(笑)

まあそういったノスタルジーも含め、僕にとっては、僕とハニーちゃんの出会いのエピソードにも関わる曲だしね。高校の頃、ハニーちゃんにこの曲を歌わせたことがあったんだよ。

スギペにコーラスを手伝ってもらったときに彼はこの曲をクイーンみたいだって言ってたね。意外に思ったけど、言われてみればそういった要素もあるかもしれない。

 

 

ゆうじろう: じゃ、次、3曲目、「If Only I Could Rockn'Roll」

 

 

Tone: この曲もImari Classicsです。1994年の秋だったか、1995年の春だったか、そのへんのどっかで作られた曲。

この曲こそクイーンだよね、ていうか、全然クイーンじゃないけど、Bメロのリフとかクイーンの曲のパクりだからね。知ってる人はわかるだろ? もちろん、「ロックンロールへの憧憬」という意味でわざと持ってきたんだけどね。

この曲は、タイトルの英語が文法的に合ってるかどうかは知らんけど、「ロックンロールさえできたなら」という、少年のロックンロールに対する憧憬や衝動のことを歌った曲なんだ。

歌詞にしろ、10代のときの、ロックに対する情熱がストレートに歌われているし、すごいストレートだけどね、でも曲のテーマがそうだから、これでいいと思う。で、この曲の一番の聞き所は、サビのところね。「異能レース」と「無責任なメシア」では、スギペとはらっちにコーラスを手伝ってもらったんだけど、この曲ではサビ部分のリードヴォーカルを歌ってもらった。二人とも、ロックンロールに対する熱い情熱、を持っている人間だしね。二人とも、すげーパフォーマンスを見せてくれているよ。

すぎぺはPoor Midnight Grandmaをやっていて、知ってのとおりImariとは兄弟みたいなバンドだったし、今年は僕がしばらくの間ドラムを手伝っていた。はらっちは今は音信+っていうバンドをやっているね。

あとはギターソロかな。「異能レース」の話のときも、この2枚のギターソロを録るときに、全部1日でやっちゃって、指が破れて血まみれになり、途中から指にガムテープをぐるぐる巻きにして弾いたっていうエピソードを話したと思うんだけど、この曲はそのガムテープぐるぐる巻きで弾いたギターソロのひとつさ。

だから指もあまり動かないし、ちょっとたどたどしいギターソロになってるんだけど、それがまるでちょうど、ギターを覚えたてのロック少年が、いいソロを弾こうと躍起になって練習してるような感じになって、ちょうど良かったと思っている。そういった偶然もあったからこそ録れた、悪くないソロなんじゃないかな。

 

 

ゆうじろう: 次、4曲目、「Phony Phony」。

 

 

Tone: この曲は、ヒッチーのいた4人編成のときにやっていた曲ですね。ヒッチー時代の曲は、ほとんど「異能レース」に放りこんだんだけど、この曲だけは「無責任なメシア」に入れてみた。すごく難しい曲でね。4人編成のバンドのときでも、皆の演奏が追っついていかなかった。今回はそれをきちんとした形にしてみた、と。

ドラムはループを使用してます。はらっちでさえ苦労してたのを、僕が叩けるはずないからね(笑)

この曲は、2003年11月の曲作りセッションのときに、ヒッチーに、"Minorities"みたいなやつを頼むよ、といわれて作ってみたんだ。"Minorities"みたいなテーマ性はないけれど、コンパクトに収まっていて、"Minorities"で始めたラテン風ダンシングハードロックのひとつの完成形といえるんじゃないかな。Imariにしてはちょっと大人なテイストが溢れていて、完成度高いし、この曲には結構自信を持っているよ。

あとはこの曲もギターソロだね。ちょっとおもしろいソロを弾いてるから。10テイク録ったうちの6テイク目だったと思う。なんでこんなソロになってしまったのかよくわからないけど、指が自然に動いた感じでね、ぴったりきてる。この曲ではまだ指から血は出てなかったと思う(笑)

 

 

ゆうじろう: 次、5曲目、「夜の歌」。

 

 

Tone: これもImari Classicsですね。1995年の秋だったと思う。'95年は結構生産性よかったんだ。ハニーちゃんに出会った年だったからね。とある一枚の絵がインスピレーションになっていてね。地元で、高校生だったから、模擬試験を受けたんだけど、その会場が、どこかのデザイン系の専門学校で、そこに一枚の絵がかかっててね。そこにこんな感じの夜の情景が描かれていたんだ。で、それが印象的だったんで曲ができてしまったと。少年の無邪気なイマジネーションがテーマになってるね。

ヴォーカルやギターにしても、テーマに即したのびのびとして無邪気なパフォーマンスができていると思う。ドラムに関してはちょっと言い訳もしたいけどね。だって、ドラムに関しても今回すごい強行日程で録ってしまったから。ただ、今回のこの制作は、そういった多少のアラや覚悟の上での強行日程・大量生産なんでね。完璧でなくても自然であればOKだと思っている。

 

 

ゆうじろう: 次、6曲目、「ME」。

 

 

Tone: これは2003年の11月デモのセッションの曲だね。

Song39だったと思う。曲のカラーとしては、自由に生きることを熱くはつらつと歌った、ちょうど「Kodomo Metal」に入っていた「Big World」みたいな曲だと思うけど、あの曲が'80sハードロック風を狙ってたのに対して、この曲はなんだかストーンズ風かな、とか僕は勝手に思っている。まぁ直球のロックンロールですね。あらゆる意味で古臭いと思う。

「ME」っていうタイトルは、ほら特に日本人って、物事を人任せにして依頼心が強いというか自分で決めないところが強いからね、もっと独立心を持てよって感じのテーマかな。

この曲の聞き所は、サビ部分のコーラスを、やはりスギペに手伝ってもらってる。右チャンネルで歌ってるのがスギペね。たったこれだけのコーラスでも、彼の持ち味が出てると思う。

あとはへろへろのシンセ・ソロ。デモのときに適当に弾いたのが、なんかいいなーと思ってそのまま使っちゃった。超がつくくらいのテキトー具合だからね(笑)

メジャーの作品では、こんなシンセを使うことなんてあり得ないだろうから、自主制作ならではの、これも豊かさ、価値ってことかな、とも思うしね。

ラフなリズムギターにしても、2003年のデモのテイクをそのまま使ったものです。デモで適当に弾いたテイクがそのまま使えるっていうのは、とりもなおさず僕のギターの腕の確かさを・・・・・・

 

 

ゆうじろう: それはもういいから(笑)次、7曲目、「Angel Wind」。

 

 

Tone: ここからB面だね。例の、ここからアナログ盤のB面、っていうのを、今回もイメージしてみた。B面1曲目のこの曲は、そう、やっと録れたか、っていう感じの。

1998年の春に書いた曲だけど、実は2度、レコーディングに挑戦して失敗してる。1998年に、「Through The Garden Of Gods」を作ったときと、翌年の「Kodomo Metal」を作ったとき。どちらの時もしっくりこなくて、ボツになった。だから、ひとつ違ってればこの曲は「Kodomo Metal」に収録されてたかもしれない。実際にはうまくいかなくて、かわりに「Love Opens Your Eyes」を急遽録ることになり、そっちが収録されたんだけどね。

んで、今回3度目の正直なんだけど、どうかな、それなりにはうまくいったんじゃないかな。リズムギターとか、結構ぱっとやっちゃったから、'99年のテイクの方がいいような気もするんだけどね(笑)

この曲は例の「風のギター」でね。タイトルも似てるからわかるかもしれないけど、「Prototypes」に入ってた「Breath Of Angels」と兄弟曲なんだ。ほぼ同時に作った曲。

僕の得意技「風のギターリフ」の中でも、この「Angel Wind」はいいリフだと思う。そして、僕らしいサウンドだ。ImariTonesらしい、というよりもナカミネタカヒロらしい、叙情的でさわやかなギターサウンドなんじゃないかな。「Changes!!」のリフと同じくらい、この曲のギターは、僕という人格をよく表現してると思う。もうジミー・ペイジ出てこい、ってくらいにね(笑)

 

 

ゆうじろう: そういえば君はジミー・ペイジに会ったことあるんだよね?

 

 

Tone: そう。この話前にしたっけ? さっき話した、大学受験のときさ。'96年の2月。いくつか受験した中で、上智大学の受験の前日に、西新宿のブート屋で、Page&Plantで来日していたお二方にばったり、さ。店の中は騒然。で、僕はお二方に握手してもらったの。サインくらいもらったってよかったと思うんだけど、そこはほら、僕も若いしさ、なにがジミー・ペイジだオレは天才ナカミネタカヒロだぞ、くらいの態度でさ(笑) だから堂々と声をかけて、ひとことふたこと言葉を交わして、握手して終わり(笑)まぁさっき東大の受験をすっぽかした話をしたけど、このお二方に会えたことこそが、僕の大学受験のハイライトだったね(笑)。そういうこともあって、まぁもう飽きたし東大はほっといて帰ろう、と(笑)

 

 

ゆうじろう: 本当はハニーちゃんに会えなくて寂しかったから帰ったんだよね(笑)

 

 

Tone: そうそう(笑)それが真相。

いずれにせよこのAngelWind、尺も長いし観念的な曲だけど、きれいな曲だしね、イマリトーンズらしい名曲だという自信はあるよ。クリーントーンで弾いたギターソロもいい音してるね。

 

 

ゆうじろう: OK。じゃ次、8曲目「幼心のファンク」。

 

 

Tone: Imari Classicsだね。1995年に書いた曲。ピアノで書いた曲でね。「Through The Garden Of Gods」に、「幼心のエチュード」っていうたわいもないピアノ曲が入ってただろ? あれと同じ曲なんだ。すごくかわいらしいメロディだったから、リズムをハネさせて歌をつけてみたんだよ、それがこの曲。ただ曲名にファンクってついてるけどね、僕は今に至るまで、ファンクっていうのがどういうものなのかよく知らないんだよね(笑)だから、この曲が果たして本当にファンクなのかどうか、僕は知らないよ(笑)

この曲に関しては、ストレートだし、説明もいらないくらいじゃないかな。

なんか、すごいストレートに求愛してるような歌なんだけど、すごく幼い感じでさ、まるで母親の愛情を欲する赤ん坊みたいな印象を受けるよね。

まぁ、それ以上は聞いてもらえばいいかな、と。意外と大事な曲なんだ、僕にとってはね。

いきいきした自然なヴォーカルが録れたとは思ってるよ。

 

 

ゆうじろう: OK。次、9曲目「fine tune」。

 

 

Tone: この曲も2003年11月セッションの産物であり、さらにはみねっちはらっちとのスリーピース活動での、唯一レコーディングされなかった曲だね。3人で演奏してみたんだけど、結構リズムに苦労してね。ライヴでは一度きりしか演奏されなかった。だからもう少し余裕があれば、この曲は「光のヒーロー」に収録されてたかもしれないね。

この曲も作った当初は、ストーンローゼズみたいなダンス・チューンにしたかったんだけど、演奏してみたら、まったく逆の方向に行ってしまったね(笑)

すごくなんというか80年代の日本のバンド的にも聞こえるし、僕のヴォーカルのキャラクターは全開になってしまうしで、もう収集つかないね。

ひとつ個人的に言っておきたいのは、間奏の部分のギターリフは、ヒッチーの曲のリフを参考にしたということ、それと、曲の最後での僕のセリフは、Van Halenの'86年のライヴビデオからのパクリですね。VHの大ファンであるところを、こんなところでも表現していけたらいいなと(笑)

 

 

ゆうじろう: 次、10曲目「ぼくら脳天気」

 

 

Tone: これもImariClassics。能天気な曲だよね(笑)。確か1994年の夏に作られた曲だと思う。高校2年生だね。

この曲は、脳天気な仲間たちのことを歌ってるんだけど、僕が高校の頃所属していた、演劇部の連中について歌った曲なんだ。もっとも僕はあまり部の活動には真面目に参加してなかったけどね。

'94年夏の、演劇部の合宿の最中だったと思う。合宿施設のホールの、音響ルームでね、僕はロックバンドの曲を大音量でかけて遊んでたんだけど、突然、不思議なメロディが思いついてね。それを口笛で吹いてみた。なんだこの妙なメロディは、って。それがこの曲のリフになったんだ。まるで「未知との遭遇」って映画に出てくる、宇宙人のメロディみたいな感じだった(笑)

で、その妙なメロディをもとに、リフを作り、どうせだからその演劇部の連中のことを歌ってみたと。

変わった曲に仕上がったけど、個性的な連中の集まりである、彼らへの僕の愛情が伝わるんじゃないかな。

かっこつけた連中って好きじゃないんだ。多少無器用でも、ありのままの個性を持った連中が好きでね。

その意味ではこの曲は「Minorities」の原型になった曲かもしれない。

無器用な連中が踊る、てんでばらばらのありのままの自由の踊り、そんな解放の空気を、この曲も持ってるかな、と。

あとは、ギターソロだね。タッピングが炸裂しまくってる(笑)こういうくだらない曲に限って、冗談みたいにギターソロを炸裂させちゃうの、悪いクセなんだよな(笑)

あと、右チャンネルでウネウネ鳴ってる音は、ソフトシンセにプラグインのバンドパス・フィルターのエンベロップフォロワーをかけて作ったもの・・・・っていうのは大嘘です。僕はギタリストだからね。キーボードにワウペダルをかけて踏み踏みしたに決まってるじゃないか(笑)

 

 

ゆうじろう: アナログ野郎なんだぞ、と言いたいわけね(笑)

じゃ、次、11曲目の「波」。

 

 

Tone: これもImariClassics。1995年の夏頃に作ったものだと思う。

たわいもないイージーリスニング風のシンプルな曲だけどね。

まぁシンプルなピアノ曲だね。ピアノもシンプルだし、簡単に誰でも弾けると思う。もっとも僕は下手だから苦労したけどね(笑)

んで、今回はこれを声を3本重ねてアカペラコーラス風にしてみたわけだ。最初はそんなつもりなかったんだけど、ついついね(笑)

そんで、やってみたら、アカペラコーラスの難しさを痛感した(笑)

今回急ぎの制作だったから、さくっとやっちゃって修正すらしてないけどね。

だから僕はAuto-Tuneのプラグインは持ってないんだってば(笑)

ギターやドラムの上にコーラス重ねるのとは違って、微妙な倍音が出てしまってさ。

しかも低いところで重ねちゃったから。ベースのチューニングと一緒で、低いところで音程合わせるのって難しいんだよね。

まぁ主旋はしっかり歌ってるし、リラックスして聞いてくれればそれなりに楽しめるんじゃないかな。

波っていうタイトルに関しては、うちの母親は海辺の出身だし、あと13歳のときに学校の合宿行事で見た夜の海の情景とかね、いろいろあるけど、まぁそんな感じで。

 

 

ゆうじろう: 次、12曲目、やっと最後の曲だね、「3コードで行こう!!」

 

 

Tone: やっとここまで来たね(笑)

この曲は、投げやりなタイトルや曲構成とは裏腹に、結構大事な曲なんだぜ、僕にとってはね。

さっきの「ぼくら脳天気」と同じでね。

この曲も、ありのままの姿で、自由に生きていくことの、大事さとかけがえの無さを歌っているんだ。

なんか僕の声のキャラクターもあるし、オカマとかゲイの人たちに支持されそうな雰囲気がただよってるけどね(笑)

「3コード」っていうタイトルともあいまって、平凡だっていい、心のままに生きていこう、っていう、そういうメッセージソングなんだよね。生きてることはこんなにかけがえのないものなんだ、っていう、さ。

この曲ものけ者たちや、異形の者たちの解放の踊りなんだと思う。

この曲もImari Classicsで、1996年の、2月だったか3月だったか忘れたけど、受験のとき、受験も終わりの方、確か新宿のホテルだったから、早稲田を受けたときかな、その、受験当日の朝のホテルのエレベーターの中から作り始めて、試験受けてる最中に完成させた。そういう曲です(笑)そういう受験生でした(笑)

だから僕にとっては青春のしめくくりのような曲だね。

はらっちとスギペのコーラスがいい味を出している。はらっちの声はイントロでも使っちゃったしね。

あとはギターソロをこの曲でもがんばってるね。解放の踊りだからね。で、この曲のギターソロを弾き終わってみたら、指が破れて血が出てきたと(笑)

 

 

ゆうじろう: こりゃまた痛そうなギターソロだね(笑)

さぁ、そんなわけで、これで全部解説が終わったわけだ。

いつものとおり、全体をまとめてくれるかな?

 

 

Tone: オーケー。

この「無責任なメシア」(Reluctant Savior)は、

ノスタルジーとリラックスに重点を置いた作風でもあり、

今までの作品の中でも、Toneことナカミネタカヒロの、

過去や、青春時代や、記憶や、そして素顔の部分が、

もっともよく表れた作品になってると思う。

聞く人には、その記憶や風景を追体験し、そこに自分自身を重ねあわせてもらえれば嬉しい。

自分でもこれは好きな作品だ。

もうほとんど失われている、古き良きこの国の情景が、含まれていると思うしね。

まぁ、テーマは素顔のナカミネってことで。

でも一応、最初に聞くならってことであれば、

まずは一緒に作ったもう一枚の「異能レース」の方を先におすすめするよ。

先日も語ったと思うけど、「異能レース」は、初めての人に、Imariを誤解し、そして理解してもらえる作りになってるからね。

それで興味を持った人にだけ、この素顔の「無責任なメシア」を体験してもらえればいいんじゃないかな。

そんな感じです。

 

 

ゆうじろう: ありがとう。そしてこれから君は、また続けて制作に入るんだよね?

 

 

Tone: そうなんだ。それを言っておきたい。

これから、イマリ・トーンズの10年間の旅のしめくくりとなる、最後の作品の制作にとりかかるわけだけど・・・・。

きっと心血を注いだ象徴的なものになるだろうと思う。

より、自分の内部や、自分の原点に、深く切りこんでいく制作になると思うからね。

そして、その後のヴィジョンについて今ここで一度語っておきたい。

おそらく、このイマリ・トーンズの10年間の旅が完成した後。

それから先、僕はひょっとすると、もっと大きなものを目指すことになるかもしれない。

今のところ、選択肢はまだある。

僕がそのうちのどれを選ぶのか、まだわからないけど。

それも含めて、自分自身を突き詰めながら、今は最後の制作に取り組んでいきたい。

なんにせよ、まだまだやることはたくさんある。

行く先を決めるのに焦ることはない。

ハニーちゃんに出会った18のときとは違う。

今回は、考える時間のゆとりは結構あるんだ。

それくらい、大きな選択をしようとしているのだからね。

でもたぶん、「漂泊の救世主」ImariTonesナカミネタカヒロにとっては、

この10年間は、頭の中を整理するための、ほんの旅の始まりにしかすぎないのかもしれない。

そんな気がしてる。

なんにせよ、

僕は歩いていくだけさ。

2006年度には、またライヴもやっていきたいしね!!

 

 

 

 

 

 

(2005年9月)

 

  

   END

 

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